INTRO
こわくないよ、Claude Code
「Claude Codeって、プログラマーが使う難しいやつでしょ?」——そう思っていませんか。僕も最初はそう思っていました。
でも、いま僕が毎日使っているのは、Claudeのデスクトップアプリです。黒い画面にコマンドを打ち込む必要はありません。アプリを開いて、フォルダを選んで、日本語で話しかけるだけ。それでファイルの整理も、文章づくりも、Webアプリの開発もできてしまいます。
ChatGPTなどのAIチャットとの一番の違いを、図にするとこうなります。
たとえば「経費のレシート画像をフォルダ分けして、一覧表にして」とお願いすると、AIチャットなら「エクセルでこう操作しましょう」と手順が返ってきます。Claude Codeなら、実際にフォルダが整理されて、一覧表のファイルができあがります。
このガイドでは、パソコンが得意じゃない方でも迷わないように、「今日やること」を順番に、ひとつずつ案内していきます。セットアップは15分。7日後には、Claudeがあなたの相棒になっているはずです。
HOW IT WORKS
Claudeはどう働くのか——1分でわかる仕組み
細かい仕組みは知らなくても使えます。ただ、これだけ知っておくと、Claudeの動きが「なるほど、いま考えてるんだな」と読めるようになります。
Claudeは、お願いを受け取ると、頭の中でこのサイクルをぐるぐる回しています。Anthropicの公式講座では「エージェントループ」と呼ばれている動きです。
ポイントは、途中でつまずいても、Claudeが自分でやり直すこと。エラーが出たら自分で原因を調べて、直して、また試します。あなたは最初のお願いと、最後の確認だけでいい。だから非エンジニアでもアプリが作れてしまうんです。
だいじな安心ポイント:Claudeは、あなたのファイルを変更する前に「これ、やっていい?」と必ず確認してきます(あとで詳しく説明します)。勝手に何かを壊すことはありません。
STEP 0
準備するもの
- メールアドレス(Claudeのアカウント登録に使います)
- Claudeの有料プラン(Pro以上。月20ドル前後。あとから加入でもOK)
- パソコン(Mac または Windows。ここ数年のものならOK)
- Windowsの方のみ:「Git(ギット)」という無料ソフト(手順は後述。全部「次へ」で入ります。Macの方は最初から入っているので不要)
先にお伝えしておきます。ネットで検索すると「Node.jsを入れて」「ターミナルでコマンドを打って」「APIキーを取得して」という記事がたくさん出てきますが、ぜんぶ不要です。それは昔の手順か、プログラマー向けの手順。デスクトップアプリなら、アプリを入れてログインするだけです。
お金の心配はいりません
Proプランは月額定額です。たくさん使っても、その月に使える量の上限に達したら一時的に休憩になるだけ。追加でお金を請求されることはありません。「AIに勝手に高額課金されたらどうしよう」という心配は、定額プランでは起きない仕組みになっています。
TODAY 1
今日やること① セットアップ(15分)
ここからは手を動かします。上から順番に、ひとつずつやってみてください。
アプリをダウンロードして、インストールする
ブラウザで claude.ai/download を開くと、お使いのパソコン用のダウンロードボタンが出てきます。ダウンロードしたファイルを開いて、画面の案内どおりにインストールしてください。スマホにアプリを入れるのと同じ感覚で大丈夫です。
Windowsの方はもうひとつ。git-scm.com から「Git for Windows」もダウンロードして入れておいてください。設定画面がたくさん出ますが、ぜんぶ「Next(次へ)」を押すだけでOK。これはClaudeが作業内容を記録するために使う裏方のソフトです。
アプリを開いて、ログインする
インストールしたClaudeアプリを起動し、Claudeのアカウントでログインします。まだアカウントがない方は、ここでメールアドレスから登録してください。
ログインしたら、まだ無料プランの方はProプランへのアップグレードを済ませておきましょう。設定メニューか、claude.aiの料金ページから手続きできます。
画面上部の「Code」を開く
アプリの上のほうに「Chat」「Cowork」「Code」というタブが並んでいます。「Code」をクリックしてください。これがClaude Codeです。黒い画面ではなく、ふつうのチャット画面に近い見た目のはずです。
もしここで「アップグレードしてください」と表示されたら、有料プランへの加入がまだ、というサインです。ステップ2に戻ってプラン加入を済ませてください。
「Local」を選んで、練習用フォルダを選ぶ
作業場所を聞かれたら「Local(ローカル)」を選びます。これは「いま目の前にあるこのパソコンの中で作業する」という意味です。
次に「Select folder(フォルダを選択)」で作業フォルダを選びます。最初は、デスクトップに「claude-練習」という新しいフォルダを作って、それを選ぶのがおすすめ。大事なファイルとは別の場所で、安心して練習できます。
これでセットアップ完了です。おつかれさまでした。
「フォルダを選ぶ」ってどういうこと? Claudeに「この机の上のものは見ていいよ、触っていいよ」と作業場所を教えてあげるイメージです。Claudeは選んだフォルダの中を見て作業します。逆に言うと、選んでいない場所を勝手に触ることはありません。
TODAY 2
今日やること② はじめての「おねがい」
セットアップが終わったら、今日のうちに3つだけ、順番に試してみてください。この3つで「見てもらう→作ってもらう→直してもらう」という基本の流れが全部体験できます。
その1:まず、見てもらう
このフォルダに何が入っているか教えて。空っぽなら、そう言って
Claudeがフォルダの中を見て、答えてくれます。まだ何も起きない、いちばん安全なお願いです。「ちゃんと会話が通じる」ことをここで確認します。
その2:はじめて、作ってもらう
自己紹介のWebページを1枚作って。名前は◯◯、仕事は◯◯、好きなことは◯◯。あたたかい雰囲気のデザインで
ここで初めて、Claudeがファイルを作ろうとします。すると画面に「この内容で作っていい?」という確認と、作られる中身が表示されます。内容を見て「Accept(承認)」を押してください。数分待つと、フォルダの中にWebページのファイルができています。
できあがったら、こう続けてみてください。
いま作ったページを、ブラウザで開いて見せて
自分のページがブラウザに表示されたら——おめでとうございます。あなたはいま、人生で初めてWebページを「作った側」になりました。
その3:直してもらう
背景の色をもう少し明るくして、名前をもっと大きく表示して
「作って、見て、直す」。この繰り返しが、Claude Codeの基本動作です。プログラミングの知識はひとつも使っていないことに、気づいたでしょうか。
覚えておくと安心な、2つの操作
- 止めたいとき——停止ボタンを押せば、いつでも即座に止まります。
- 方向を変えたいとき——止めなくても大丈夫。作業中にそのまま「やっぱり青系の色で」と打って送れば、走りながら方向転換してくれます。
間違えても、失敗しても、何度でもやり直せます。「うまく伝わらなかったら、言い直せばいい」。それだけ覚えておいてください。
SCREEN TOUR
画面の歩き方——覚えるのは5つだけ
Codeタブの画面には色々なボタンがありますが、最初に覚えるのはこの5つだけで十分です。
| 操作 | 何が起きるか | 使いどころ |
|---|---|---|
| @(アットマーク) | 入力欄で「@ファイル名」と打つと、そのファイルをClaudeに見せられる | 「@見積書.md を読んで感想を教えて」のように、特定のファイルの話をしたいとき |
| 添付ボタン | 画像やPDFをそのまま渡せる。ドラッグ&ドロップでもOK | 「このスクショと同じ雰囲気のページにして」「このPDFを要約して」 |
| /(スラッシュ) | 入力欄で「/」と打つと、スキル(あとで説明します)の一覧が出る | よく使う定型作業を呼び出すとき |
| 差分表示(+12 -1) | Claudeがファイルを変えたあとに出る数字。押すと「どこが変わったか」が色付きで見られる | 納得してから受け入れたいとき。気になる行にコメントも書ける |
| Preview(プレビュー) | 作っているWebページやアプリを、アプリ内でそのまま動かして見られる | 「いまどんな見た目?」をすぐ確認したいとき |
差分表示は「あなたの検品カウンター」です。Claudeの変更に気になるところがあれば、その行にコメントを書くと、Claudeが読んで直してくれます。よくわからなければ「この変更を、初心者向けに説明して」と聞けばOK。
MAP
Claudeの4つの顔を使い分ける
Claudeのデスクトップアプリには、大きく4つの使い方があります。「どれを使えばいいの?」と迷ったら、この図に戻ってきてください。
それぞれ、こんなときに
- チャット——「お客さんへの返信文を考えたい」「この契約の注意点を教えて」。ファイルを触らない、頭を借りるだけの相談ごと全般。
- Code——「Webアプリを作りたい」「ファイルを整理したい」「LPを直したい」。あなたのパソコンの中で、目の前で一緒に手を動かしてほしいとき。作業の様子が見えて、一つひとつ確認しながら進むのが特徴です。
- Cowork——「資料をリサーチしてまとめておいて」のように、время のかかる作業を丸投げして、自分は別のことをしたいとき。Coworkは独立した作業部屋で黙々と働いて、終わったら報告してくれます。
- Design——「サロンの予約ページの見た目、3案ほしい」。デザインのたたき台を素早く並べたいとき。AI受託では、お客さんに見せるプロトタイプづくりの強い味方になります。
僕の実際の使い分けもこの通りで、考えごとはチャット、日々の作業の丸投げはCowork、見た目のたたき台はDesign、開発はCodeです。最初の1週間は「チャット」と「Code」の2つだけで大丈夫。
CONCEPT
覚えておきたい、4つのことば
難しい専門用語は覚えなくて大丈夫。ただ、この4つだけ知っておくと、Claudeが「毎回説明し直さなくていい相棒」に変わります。
プロジェクト=仕事ごとの「引き出し」
案件やテーマごとに、資料や会話をひとまとめにしておける場所です。「A社の案件」「ブログ執筆」「経理まわり」のように引き出しを分けておくと、Claudeがその案件の背景を覚えた状態で会話を始められます。
「前も説明したのに、また最初から説明してる……」と感じたら、それはプロジェクトを作るタイミングです。
スキル=Claudeに渡す「レシピ」
「議事録はこの形式でまとめてね」「うちのSNS投稿はこのトーンで書いてね」といった仕事の手順書を一度作っておくと、次からは「議事録まとめて」の一言で、いつもの形に仕上がります。
しかもスキルは、自分で書かなくていいんです。こうお願いしてみてください。
いまの議事録のまとめ方を、次からも同じようにできるように、スキルとして保存して
入力欄で「/」を打つと、保存したスキルの一覧が出てきます。同じ指示を2回した仕事は、スキルにする。これが上達の近道です。
コネクター=他のサービスへの「橋」
GmailやGoogleカレンダー、Googleドライブ、Slackなどを、Claudeとつなぐ仕組みです。橋がかかると、こんな会話がそのまま通じるようになります。
- 「明日の予定を確認して、準備すべきものをリストにして」
- 「ドライブにある先月の請求書を探して」
- 「このメールに、丁寧な断りの返信の下書きを作って」
設定は、アプリの設定画面から「つなぎたいサービスを選んでログインするだけ」。最初のうちは必須ではないので、7日間ロードマップの中で1つだけ試してみましょう。
CLAUDE.md=作業場所に置く「申し送りメモ」
フォルダの中に置いておく、Claudeへのお願いごとを書いたメモです。「このプロジェクトでは絵文字を使わない」「回答は日本語で」「お客さんの名前は伏せる」のように書いておくと、毎回言わなくても、毎回守ってくれます。
これも自分で書く必要はありません。Anthropicの公式講座でも、最初にやることとして紹介されている定番のお願いがこれです。
このフォルダ用のCLAUDE.mdを作って。回答は日本語で、ですます調。ファイルを消すときは必ず先に確認する方針で
SETTINGS
モデルとモード——2つのつまみ
Claudeには「どの頭脳で考えるか(モデル)」と「どこまで自動で動いていいか(モード)」という、2つのつまみがあります。どちらも入力欄のまわりでいつでも切り替えられます。
モデル=頭脳の種類(送信ボタンの横で選べます)
| モデル | 特徴 | 使いどころ |
|---|---|---|
| Fable | 最高性能。じっくり深く考える | 難しい開発、大事な提案文、ここぞの場面 |
| Sonnet | 速さと賢さのバランス型 | ふだんの作業全般。迷ったらこれ |
| Haiku | 軽くて速い | 簡単な質問、ちょっとした調べもの |
料理にたとえると、Fableは料亭の板前、Sonnetは頼れる街の定食屋、Haikuはファストフード。全部おいしいけれど、場面で使い分けると満足度も、月の使用量のもちも変わります。
モード=どこまで自動で動いていいか(3段階)
- プランモード——「まだ何も変えないで、計画だけ聞かせて」というモード。大きな変更や、初めての作業の前に使うと安心です。計画に納得してから実行に移れます。
- 都度確認(最初の設定)——変更のたびに、中身を見せて許可を求めてきます。最初の1〜2週間はこのままでOK。
- 自動モード——ファイルの編集を自動で受け入れて、テンポよく進めてくれます。「毎回Acceptを押すのが面倒になってきたな」と感じたら切り替えどきです。
大きな作業は「見る→計画→作る→残す」の順で
Anthropicの公式講座では、上手な進め方として次の型が紹介されています。初心者語に訳すと——
- 見てもらう——「まずこのフォルダの中身を把握して」
- 計画してもらう——「どう進めるか、計画だけ先に見せて」(プランモードの出番)
- 作ってもらう——計画に納得したら「その計画で進めて」
- 残してもらう——「ここまでの変更を記録して」(あとで前の状態に戻れるようになります)
小さなお願いなら、いきなり「作って」で大丈夫。大きなお願いのときほど、計画を先に見る。これだけで失敗がぐっと減ります。
ROADMAP
最初の7日間ロードマップ
「毎日15〜30分だけ」でClaudeが相棒になる、7日間のメニューです。上から順にやれば、迷うことはありません。
セットアップ+はじめての3つのおねがい
このガイドの「今日やること①②」をやる日です。自己紹介ページができたら、今日は店じまいでOK。
身のまわりの「片づけ」を頼んでみる
- 散らかっているフォルダ(ダウンロードフォルダなど)をコピーして、練習フォルダに入れる
- 「この中のファイルを、種類ごとにフォルダ分けする計画を立てて。まだ実行しないで」とお願いする
- 計画を読んで、納得したら「その計画で実行して」
「計画を先に見る」感覚を、小さな作業で体に入れる日です。
CLAUDE.md(申し送りメモ)を作る
- 「このフォルダ用のCLAUDE.mdを作って。回答は日本語、ですます調、ファイルを消す前は必ず確認」とお願いする
- できたメモを開いて、読んでみる(ふつうの日本語で書かれているはずです)
- 自分の好みをひとつ追加してもらう。「『専門用語には説明を添える』も追加して」
翌日以降、Claudeの返事の雰囲気が変わっていることに気づくはずです。
スキル(レシピ)を1つ作る
- 自分がよくやる仕事をひとつ選ぶ(例:お客さんへのお礼メール、週報、SNS投稿)
- まず1回、ふつうにお願いして、やりとりしながら理想の形に仕上げる
- 仕上がったら「今のやり方を、次からも使えるようにスキルとして保存して」
- 翌日、「/」から呼び出して、一言で同じ品質が出ることを確認する
コネクター(橋)を1本かける
- 設定画面から、GoogleカレンダーかGmailをひとつ接続する
- 「今週の予定を見て、いちばん忙しい日を教えて」のように話しかけてみる
「Claudeが自分の状況を知っている」感覚は、ここから一気に加速します。
自分のための小さなアプリを作る
「あったらいいな」を形にする日。おすすめのお題はこのあたりです。
- 今日やることを3つだけ書ける「やることメモ」
- ボタンを押すと今日の晩ごはんを決めてくれる「ごはんルーレット」
- 子どもの九九練習アプリ
「◯◯なアプリを作って、プレビューで見せて」——それだけで始まります。動いたら、色や言葉を自分好みに直してみてください。
ふりかえり+次の作戦
- Claudeに「この1週間でこのフォルダでやったことを、ふりかえりとしてまとめて」とお願いする
- 「私の仕事は◯◯。Claudeで時短できそうな業務を10個提案して」と聞いてみる
- 出てきた10個から、来週やるものを1つ選ぶ
ここまで来たら、あなたはもう「Claudeを使える人」です。次は「Claudeで価値を届ける人」へ。その道のりは、教材本編でお渡しします。
FAQ
つまずき救急箱
Q. 勝手に課金されたりしませんか?
Q. 間違って大事なファイルを消されたりしませんか?
Q. 「Code」タブを押したら「アップグレードして」と出ました
Q. Windowsで、フォルダを選んでも作業が始まりません
Q. 英語ができないとダメですか?
Q. どのプランに入ればいいですか?
Q. Claudeの返事が途中で止まってしまいました
Q. わからないことが出てきたら、誰に聞けばいいですか?
NEXT
次の一歩
ここまでできたら、セットアップは卒業です。もっと知りたくなったら、この2つをどうぞ。
公式・デスクトップアプリ クイックスタートAnthropic公式のはじめかたガイド。英語ですが、Claudeに「このページを日本語で要約して」と頼めば読めます Anthropic Academy(公式の無料オンライン講座)
「Claude Code 101」など公式コースが無料で受けられます(英語・修了証つき)。このガイドの下敷きのひとつです
そして、「作れるようになった先」——案件の獲りかた、見積もりのつくりかた、納品までの道のりは、教材本編「AI受託のはじめかた」でお渡しします。
まずはこの7日間で、Claudeと友だちになってください。あなたの最初の「おねがい」を、楽しみにしています。